天然屋の快眠塾

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夏の睡眠はリズムを意識

私たちの体は毎日決まった時間に起きてだいたい同じ時間に眠りにつくことで24〜25時間周期で体内時計が働いています。しかし睡眠時間が日によってまちまちだったりすると体内時計のリズムが崩れ、朝起きようとしても起きられない症状が起きます。
そこでズレたリズムを戻す仕組みがカラダにはちゃんとあって、脳にある体内時計の中枢が毎朝、太陽の光を浴びることでズレた時計をリセットしています。できるだけ同じ時刻に起床し、太陽の光がもつ強い覚醒作用を全身で受け止めましょう。

注意せよ!夏の睡眠は夜型になりやすい。

体内時計は睡眠のコントロールタワーとしての役割を持っています。よく「朝型」「夜型」と言いますが、これは体内時計の周期の長さに影響を受けています。短ければ朝に強く、長ければ夜に強い。夜型は体内時計のズレを修正できない睡眠障害に陥るリスクが高いと言われていますが、夏場はとくに夜型になりやすい。夜遅くまで光刺激をガンガン受ける機会が増えれば、脳にある体内時計の中枢は光によって時刻を調整するので、ますます体内時計はより後ろ倒しになり、甚だしい夜型生活になります。

ズレた時計を早めることは、遅くするのに比べて、ずっと労力がかかります。それに加えて真夏は連日の熱帯夜で睡眠の質も大きく落ちます。夏は多くの人が夜型生活と睡眠不足へとまっしぐらに進んでいるような状態です。
人の体内時計周期は24時間より長いので、二重の意味で夜の光には十分注意が必要です。

日本人の睡眠時間が90年代以降かなり減ってきています。OECDの国際比較データによると、1位と1分差のワースト2位、世界で最も眠りが少ない国民となってしまっています。

では理想の睡眠時間とはどのくらいなのでしょうか?監視作業をするとエラーが起きにくい睡眠時間は8時間半という実験結果や、海外の疫学調査では、7時間前後の睡眠をとっている人の死亡率が最も低いというデータもあります。その一方で日本人を対象にしたうつと睡眠時間の関連データでは、6〜8時間程度の睡眠がとれていれば心の健康のリスクが少ないという報告もあります。
夏の睡眠がさらに短くなっている可能性が高い場合は、今まさに睡眠不足の改善に努めなければなりません。

ぐっすり寝室クーラー活用術

睡眠と体温は密接に関係しています。眠る前から寝入るまでの体温落差が大きければ大きいほど、スムーズな眠りが得られ、うまくすれば寝入ってから20分〜30分で、あっという間に深い徐波睡眠まで到達できます。

ところが夏は夜にもかかわらず最低気温が25以上という熱帯夜。シャレにならないくらい寝苦しい夜ももはや珍しくはなく、根性で眠りにつけるレベルを遥かに超えています。というわけで、ニッポンの夏の夜間冷房はもうなくてはならないものになってきつつあります。

しかしクーラーの使い方には厄介な問題がいろいろと発生します。
たとえば真夏になると温度環境を巡る男女のせめぎ合いが繰り広げられます。夫婦の場合、夏だけ家庭内別居というケースもあるとかないとか。
そもそも男女間では暑さ寒さの感受性という深い溝があるようです。女性は男性に比べて体表面積当たりの基礎代謝量が10%低いといわれています。また、熱を生みだす筋肉量が少ないことも起因し、筋肉量が多く、ちょっと動くだけで、暑くなり、放熱する男性はより涼しい環境を好み、筋肉量が少ない女性はあまり暑さを感じにくく、それよりカラダが冷えないことを、好む傾向があるようです。

ではどうしたらいいか?睡眠中のエアコンをつけたとき、寒くて不快な思いをするにはいくつか理由があります。エアコンの冷風が直接からだにあたる、エアコンのオン、オフによる室温の上下、床に冷気が当たる等々。これらを解消すれば良いようです。暑い寒いといった部屋の環境に関わる要素には次の6つがあります。ひとつは当然温度。次に湿度。同じ温度であっても湿度の高低で蒸し暑さの体感レベルはまったく違ってくる。そして気流。窓からそよそよと吹いてくる風は、からだの表面の熱を取り除いてくれます。さらに放射熱。太陽から放射された電磁波は屋根や壁に吸収されて熱として蓄えられ、この熱が天井や壁を通してからだに伝わります。この4要素に加えて着衣、寝具や活動量など、自分自身で調節できる2要素を加えたものが、体感温度に関わっています。そこで、前出の温度、湿度、気流、放射熱の4つの要素をエアコンなどの冷房器具で調節する必要があります。

いわゆる体温には皮膚温と深部体温のふたつがあります。このうち睡眠時にぐっと落ちるのは後者の深部体温で、この深部体温が高いままだと眠気はやってきません。では深部体温を下げるためには抹消の皮膚温を上げて熱を外に逃す必要があります。高温多湿の状態ではこの抹消からの放熱効果が悪くなる。とくに湿度が高いと、発刊しても気化熱で熱が奪われないので、深部体温の低下がおもわしくありません。というわけで、適正温度、適正湿度に環境を整えることは非常に重要になってきます。これらを解消する方法は吸湿、発散性に優れた麻の敷きパッド麻布団、麻枕カバーなどに変えると温度、湿度の調節に役立ちます。

ではどのくらいの温度と湿度を指して適正とするかですが、一般的に28度〜30度といわれています。ちょっと高めに感じるかもしれませんが、寝ている間の布団の中はこれより、暑い33度くらいが快適とされています。ならばこの状態にもっていくためにエアコンの設定をどうすべきかというと、おすすめなのは26度以上、湿度は40%〜50%。しかしクーラーを入れたままで眠ると、女性にとっては睡眠中にかぜを引いてしまったり、寒くて目が覚めてしまうという方もいるようです。

そのような方が快適に眠るための冷房器具活用のひとつに、寝る前にエアコンをかけて、就寝時は扇風機を使う方法があります。エアコンを就寝1時間前にかけ、室内の壁の放射熱を取り除き、さらに寝具を冷やし、室内温度を3℃下げます。そして就寝時にエアコンを切り、その後は扇風機で微風運転、壁に風を当てることで、間接送風にし、起床60分前に停止。冷やしすぎから、からだの負担をかなり防ぐことができます。
温度だけではなく、湿度、気流、放射熱。これらの要素をひとつひとつ適正の状態にキープできれば事は案外すっきり解決します。やたらにエアコンの温度を下げずとも快適に眠ることができます。

夏の夜は香りや青色の効果を生かす

眠るのさえ疲れてしまうような夏の夜は、ちょい工夫で、暑い日々を乗り切りましょう。
フレグランスは不快感を減らすのに効果的です。まずは汗臭さなどが残らないように部屋を清潔に保ちましょう。夏場はリラックス系に加えて、レモンなどのリフレッシュ系の香りも有効です。鎮静効果があって寝付きを良くするポプリやエッセンスオイル入浴剤もありますので、さわやかな香りで、体感温度も下がって、眠りやすくなります。

眠りに一番効果的な色はご存知でしょうか?
最近売られているカバーやシーツなどには非常にカラフルで個性的なものがありますが、こうした刺激的な色彩の寝具では神経が興奮してしまい穏やかに眠ることができません。寝室内の色彩が眠りに与える影響は確かにあります。ぐっすり眠るためには、目にやさしく、安らぎを感じることができる色彩を選びましょう。目の刺激が少なく、落ち着きのある色ブルーがなんといっても効果的です。人は青い色では、血圧が下がり、呼吸が穏やかになりリラックスモードに入ることがわかっています。また見た目にも涼しげですから、夏の快適な睡眠には最適な色といえるでしょう。

不眠と向き合う

暑さや寒さ、騒音などは環境を整えることで、ある程度解消できますが、少々やっかいなのはメンタルが原因と考えられる不眠の症状。ストレスが原因で眠れなくなっているケースです。仕事など平日の睡眠不足を解消するべく、休みの日にダラダラ過ごしてしまったりすると、完全に睡眠のリズムが狂ってしまいます。こういった生活習慣が不眠を引き起こしています。ストレスも含め、不眠の原因を徹底的に洗い直してみましょう。
まず、仕事や日々のストレスを完全に排除しようとするのではなく、うまく付き合っていくことを考えてみましょう。毎日心地よく眠りにつき、よりよい仕事をするためにも仕事以外の楽しみを作ることをおすすめします。趣味やスポーツの仲間を作ったり、スポーツをしてからだを動かしたり、ペットを飼って動物と触れ合う機会を作るなどすれば格好の気分転換になります。そのうえで働く時間とプライベートの時間、そして睡眠時間をバランスよく分けて生活にメリハリをつけるよう心がけること。ストレスはいわば脳と心の疲れ。とりあえずしっかり眠れさえすれば、大抵のストレスはリセットできます。

最近の現代型不眠は、寝る直前までパソコンやスマホ、タブレットの画面とにらめっこしている人が結構多いのではないでしょうか。寝る直前に目から光を浴びると、脳が覚醒してしまいスムーズな睡眠に入れない。こうした習慣をやめ、室内の光を落として目に負担をかけないだけでも、眠りにつきやすくなります。睡眠障害改善のポイントは平日、休日を問わず睡眠時間と就寝、起床時間を一定させること。これから始める人は最低でも2週間はそのサイクルを継続してみましょう。

枕や布団にも寿命がある!替え時とは?

一日の疲れを癒す眠りにはからだに合った寝具が大切です。自分とって最適な寝具は年齢とともに変わることも覚えておきましょう。一般的に若い人は代謝が高いため、寝ている間もよく汗をかきます。熱がこもりにくい素材や構造を選ぶのがよく、逆に年齢を重ねるとともに冷え性気味に。こうなると寝具は保温性が大切になります。暑さを感じる場合は通気性のよい敷きパッドで調整します。

"いいマットレスを買ったから"とか"今の枕はピッタリだから"と何年も同じ寝具を使いつづけていないでしょうか?気に入っているとはいえ、寝具は毎日使うもの。からだの全体重を一晩中支え続けていれば、自然とへたってきます。特に、腰の部分は体重がかかりやすいため一番早くへたってくる部分。目が覚めた時に腰にだるさが残るようになってきたら、買い替え時です。一般的に敷き布団は3〜5年 枕は約1〜5年といわれています。長持ちさせたいなら、頭の位置を入れ替えることで、へたる部分が分散され、長く使えます。枕は潰れてきたら黄色信号。目が覚めた時に首や肩に懲りを感じたり、疲れが取れなくなったら取替えましょう。

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